仮想の横道

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Horizon Cloud on Azure with WVDでのマスタ更新の罠

こんにちは、みなさま。

 

今回の記事はHorizon Cloud on Azureでセッション管理のデスクトップをマスタ更新した際の動きについてご紹介します。

 

VDIの基本的な運用として展開しているマスタの更新というのは外すことができない作業だと思います。

流動割り当てのプールのマスタを更新する際、オンプレミスのHorizon環境では一度に更新する台数を指定することでプール内の仮想マシンが順次更新されていき、更新待ちになっているマシンへの接続ができたため、更新台数を絞っておけばユーザは空いているマシンにログインができたと思います。

 

Horizon Cloud on Azureでこのマスタ更新を行ったときに、一度に更新するマシンの制御ができなかったのでそのことについて今回の記事で紹介します。

Horizon Cloud on Azureでは静止中状態に移行可能なマシン台数という形で制御するのですが、オンプレミスHorizonでの感覚でこの設定をしているためユーザが接続できる状況であると考えていたら想定とは違う動作をすることがわかりました。

結論からいうと、この設定でマシン台数を絞っていてもユーザが接続していないマシンについては同時に更新処理が走ってしまいます。

マルチセッションのプールであればかなり強引な運用回避になりますが、この事象によるユーザ接続不可時間をなくすことができます。

その方法は、接続してくるユーザを受け入れられる分のマシンに事前にセッションを張ったうえでマスタの更新を行うことです。

 

かなり、強引な回避策ですね…

通常VDIログインするように接続した場合は、接続先のホストを指定できないのでAzure BastionやRDPで対象のホストに接続する必要があります。

 

とはいってもこのマスタの更新による接続不可の時間は仮想マシンの再起動のための時間程度なので10数分で接続可能となります。

基本的にはマスタ更新の作業を深夜帯等に実施することでほとんどユーザ影響はないと考えらえますが、どうしても接続不可時間を作れない状況の場合は上記回避策を実施するしか現状対策はありません。

 

vSphereがなくなったことで操作は簡単になり、費用も安くなりましたが、その弊害なのかなと思います。